誰がために呟くのか
前のアカウントを削除して四か月。
少し時間が経ったのであの頃の事をぼんやり振り返ってみようと思う。
別のブログに書いたが、ツイッターを始めたきっかけは関ジャニ∞のファンアートを描かれていたAさんの作品を読みたかったからに他ならない。
当時は完全な閲覧アカウントで自らが呟く事は無く、ひたすらAさんの作品を読むだけだった。
そのAさんがツイッターを去った後、「このアカウントをどうしようか」と考えた。
Aさんだけをフォローしていたアカウント。
彼女がいなくなったのなら存在意義もなく即座に消してしまおうと思った。
でも待てよ。
私も何か呟いてみよう。
何の気なしにそう思いぽちぽちと関ジャニ∞への気持ちを打ち込んでみた。
昨夜見た彼らの出演番組やら今日買った雑誌の感想やら中学生以来に書く倒れそうな程
独りよがりのポエムやら勝手に妄想したキャンジャニちゃんの学園生活の一コマやらを限られた字数の中に押し込めて書いてみたら、楽しくなって止まらなくなった。
壁打ちの気安さで(公序良俗に反しない範囲と自らに言い聞かせて)あれもこれもと彼らへの思いを文字にする日々。
自分の気持ちを言葉にするのってこんなに楽しかったんだなぁとそれは驚きでもあった。
しばらくして、ある方が私をフォローしてくれた。
一日の終わり寝床に入って「さぁ今日も関ジャニ∞へのこの持って行き場のない感情を吐露するぞ!」と一人意気込んでツイッターを開くとゼロだったフォロワーの数が「1」になっているではないか。
何度も見直した。
本当に??
そもそも自分の愚にもつかぬ呟きの数々を見ていた方がいたの?
ぎゃーーー恥ずかしいーーー!!!
だったら鍵アカウントで呟けよ!と言われたら何の申し開きも出来ないのだが、星の数ほどあるアカウントの中で私のツイッターを読む人なぞいるはずないだろうと思っていたのだ。
しばし呆然としてから「お返事をした方が良いのかな」と考えた。
壁打ちに勤しんでいたもののやはり誰かが見てくださるのは嬉しい。
しかもその方は私の娘達とさほど年の変わらぬお嬢さんらしい。
母親ほどの年齢の人間だと知られたら引かれちゃうかな・・と逡巡したが思い切って返信を送ってみた。
するととても優しい言葉が返ってきた。
恥ずかしながら布団の中で嬉しくてちょっと涙ぐんでしまった。
勿論その方を自分もすぐフォロー。
素直で愛らしくて且つ理知的な彼女の呟きとブログに感動し「こんな素敵な人にフォローしてもらえたんだ・・」という喜びでいっぱいになったことを今も鮮明に覚えている。
それから少しずつ「この方の呟きいいなぁステキだなぁ」「めちゃくちゃ素晴らしいイラスト!」と思った方々をフォローさせてもらうようになった。
Aさんの世界が全てだったあの時とはまた違う、陶酔感やワクワク感がTLに流れるようになりもうすっかりハマってしまったのだこの場所に。
そうこうするうちにフォローして下さる方がぽつりぽつりと増えてきた。
ヨコさんをすばる君を村上君を丸ちゃんをヤス君を亮ちゃんを大倉君を、そして私と同じ関ジャニ∞グループ全体をそれぞれ熱烈に応援し愛する方達の呟きが溢れる画面は壮観で、しかも毎日その光景が更新されるという幸福に酔いしれる日々だった。
次第に妙な使命に駆られてきた。
私もこの素晴らしいTLにふさわしい呟きをしなくては。
今思うとこの辺りからボタンの掛け違いが始まったのかなと思う。
誰に頼まれた訳でもなく誰に強制された訳でもないのに自分で勝手に
出来るだけ良い呟きをしなくては!と考えたのだ。
「良い呟き」ってなんだよって話ですが。
その時考えたのはとにかく「関ジャニ∞」の事だけ呟こう。彼らの愛しいところカッコいいところを呟こう。無論肯定できない部分もあるがそこもなるべく冷静に愛をもって呟こうという「枷」を自らに作ってしまったのだ。
こんな風に書いてしまうと「無理やり彼らを褒めていたのか!」と誤解をされてしまうかもしれないが、決して無理にではなかった。
ヤス君の病気と怪我、すばる君と亮ちゃんの脱退、深く重い時期にも歩みを止めなかった彼らの生き様に心震えしがない1ファンではあるがどうにか彼らの輝きを伝えられないものかと思っていたのだ。
それは5人だけではなくすばる君と亮ちゃんも同様に。
呟きの熱量と共にフォローして下さる方が過分に増えてきた。
時々驚く位の「いいね」 がつく事もあった。
それと比例するように私の呟きに否定的な言葉も多く目にするようになってきた。
それまで大好きで片思いフォローしてきた方に急にブロックされた時は心底落ち込んだ。
これは全くの被害妄想なのだが惚れ込んでフォローしてきた方々に距離を置かれているような気までしてきたのだ。
大丈夫か自分。
私はAさんの事を思い出した。
おこがましいかもしれないが、Aさんもこんな気持ちだったのかな。
関ジャニ∞が大好きなのに大好きって言えなくなってきたのかな。
それでアカウントを閉じてしまったのかな。
そんなこんなでわたわたしている中あるトラブルに見舞われこれを機にアカウントを削除することに決めた。
寂しさもやるせなさもあった。
小さな画面の中にあった世界に自分がいかに依存していたかを突き付けられた。
でも消した。
そうして今は誰のためでもなく自分のために呟いている。
愛しい関ジャニ∞の事を。