箱推しはつら(くな)いよ
先日長女に聞かれた。
「お母さんは、関ジャニのお兄さん達の中で誰が一番好きなの?」
3才頃から大相撲をこよなく愛し、今現在も愛し続ける彼女は相撲そのものに情熱を捧げているいわゆる箱推し。
けれどそんな長女にも別格のご贔屓力士がいる。
「相撲の神様」こと双葉山だ。
(娘は敬愛の意を込めて本名である「定次」と呼ぶ)
定期入れに双葉山の相撲カードを忍ばせてお守りにし、辛い時には心の中で
「定次」に語りかけているとの事。
彼女にとっては本当の神なのだ。
だから母親である私に「関ジャニ∞というグループ全体が好きなのはわかるけどでもやっぱり5人の中で特別に好きな人いるよね?ね?!」と聞いてきたのだと思う。
問われて考えた。
一番好きな人?
この点に関してはエイトさん達を好きになった当初からなんとなしに引け目を感じていた。
彼らの中の一人に惹かれてそこからグループを応援するようになったのではなく、びっくりするぐらい無邪気に楽しそうにわいわいする全員の姿に惹かれてファンになった私には「自担」がいなかった。
でもそれが悪い事だとは思っていなかったし、今もその気持ちに変わりはない。
けれど、自分の中に「この人だけ」がいるのは強いな、とも思っている。
グループでの仕事は勿論嬉しい。
だけど自分が大好きな人の個人仕事はもっと嬉しい。
だって彼は私にとって「特別な人」なのだから。
この気持ちは箱推しである私の何倍も何倍も尊く眩しく映るし、彼らにとっても「5人全員ではなく自分だけを見てくれる」ファンの方が当然好ましいよなぁと思う。
だからといって、無理に「自担」は作れない。
私が堕ちた沼は「関ジャニ∞」なのだから。
不惑を迎えてもなお美しさを増す美貌を誇示するでもなくむしろ困惑している風情がますますその姿を際立たせる、ストイックな「関ジャニ∞」の頼りになる長男、ヨコさん。
熱い想いは胸に秘め、淡々と堅実に完璧に恐ろしい量の仕事を遂行する一方で、グループに戻ると一気に可憐なヒナちゃんになって見る者の胸をしめつける村上君。
ヒャダインさんが以前雑誌で述べていた「関ジャニ∞の色を作る大きな要は丸ちゃんなのかなって、その時思いましたね。すごいムードメーカーなんだろうなって」としてグループに在り、その葛藤と逡巡と歓喜とが立ちのぼる色気となって象られている丸ちゃん。
どんな強い風雨にさらされても折れることのないしなやかで柔らかで強靭な木。その眼差しは、単に優しいだけではなく厳しさもたたえているからこその真実であるとこちら側に教えてくれるヤス君。
見る者全てを圧倒する容姿と何物にも秀でた才がある体の芯に詰まっているのは努力努力のみ。豊かな笑顔と笑い声を持ち、お兄ちゃん達が大大大好きなエイトの末っ子大倉君。
みんな好き。
みんな大好き。
みんな大好きだーーーー!!!
これからもずっと箱推しでーーーす!!!
そんな私が箱推しをする上で大事にしている言葉がある。
「我々がキャッキャしてるのを『こいつらなんで笑てんねやろっていうぐらいのところから目を向けてもらえれば。休み時間の教室で『あの集団ってなんかしらんけどいっつも楽しそうやな、なんで遊んでんねやろ』っていうような感覚で」
ある雑誌の村上君の言葉だ。
彼らがこう思ってくれている事が箱推しにとっての醍醐味であり幸福に他ならない。